
“生きる”につながるロープを
何本もつくりたい
日本には「孤独・孤立対策担当大臣」がいます。これは2021年2月に誕生したポストで、世界ではイギリスに次ぎ 2例目となります。

ひきこもり。産後うつ。夕ご飯を「孤食」する児童。学校でいじめを受け誰にも相談できない孤独。定年後の孤独。日本で暮らす外国人の孤独…。日本は「孤独」に溢れています。私のもとには数々のSOSの声が寄せられていました。
孤独対策は国民民主党が2019年、参議院議員選挙の重点政策として打ち出したのが日本では初めて。発案者は私です。当時はある新聞から「ユニーク公約」として面白おかしく紹介されましたが、党の仲間たちは最初から孤独対策の重要性に気づいてくれました。党一丸となり国会で訴え続け、ついに我が国に孤独担当大臣が任命されるに至りました。
孤独に向き合うきっかけ
孤独に向き合うきっかけ
孤独・孤立対策を最初に始めたのはイギリスの女性政治家ジョー・コックス議員です。
コックス議員は2016年、EU離脱をめぐる混乱の中で殺害されました。当時コックス議員は41歳。幼い子ども二人が残されました。コックス議員は生前「孤独は若者も老人も苦しめる」として孤独対策の重要性を訴えていました。その遺志を受け継いだのが超党派の「ジョー・コックス委員会」。委員会の提言に応えて、イギリスは2018年に世界で初めて孤独担当大臣をつくったのです。
私が孤独に対して向き合うようになったのはこのニュースを読んだのがきっかけです。
イギリスだけではない、国家を蝕む“孤独”
イギリスだけではない、
国家を蝕む“孤独”
孤独・孤立はタバコの害に匹敵するぐらい健康リスクがあると言われています。
孤食(ひとりだけの食事)は栄養が偏った偏食になりがちで生活習慣病をひきおこす懸念もあります。ジョー・コックス委員会の報告では、イギリスの人口 6560万人(当時)のうち、900万人が「孤独」を感じていて、経済損失は年間320億ポンド(約4.9兆円)にのぼると見積もられていました。私はイギリスの孤立対策の政策を見れば見るほど「これはイギリスのことじゃない。日本のことなんじゃないか」と思うようになって勉強を始めました。調べてみると日本の単身世帯は34.5%とイギリスの約3割を超えていました。
単身世帯だけではありません。私自身も産後うつで「この命さえも投げ出そう」と思った時期もありました。児童虐待も、DVも、ヤングケアラーも、ありとあらゆる「望まない孤独」にある人が、今 助けを求めています。
孤独担当大臣が突如誕生!? 質問時のハプニング
孤独担当大臣が突如誕生!?
質問時のハプニング
2021年の1月28日。予算委員会で総理に質問する機会がありました。
そのちょうど一週間前、玉木代表の質問に総理が「望まない孤独はコロナ禍で顕在化したので取り組む」との前向き答弁をしてくださっていたので、私は「具体的ターゲットと優先順位、施策内容、政策推進責任者について国会答弁を総理から引き出し、議事録に残しておかなければ」と意気込んでいました。
2021年1月28日参議院予算委員会 答弁に立つ当時の総理と厚労大臣
総理は「今の組織でも、孤独問題に対応する組織があり、どんな状況なのか早急に調べたい」とおっしゃるので、私は「今はどの大臣が担当なのか?」と食い下がると、総理は「厚労大臣」と即答。突然の指名に、閣僚席に座っていた田村厚労大臣(当時)は「えっ!」と驚きの声をあげました。このハプニングは新聞記事にもなりましたし、話題のツイートに「孤独担当大臣」があがるなど注目を集めました。その2週間後の2月12日。内閣府には厚生労働省や文部科学省など6府省の職員約30人で構成される「孤独・孤立対策室」が誕生しました。もちろん担当大臣も任命され、“孤独対策”が大きく動いたのです。
玉木雄一郎代表の2021年2月12日ツイッター
孤独問題は厚労行政の片手間にできることではありません。既存の相談窓口拡充などの対症療法だけではなく、問題の根本へのアプローチが必要だと思っています。
自ら命を絶つ子どもたち。生きるにつながるロープを何本もつくりたい。
自ら命を絶つ子どもたち。
生きるにつながるロープを何本もつくりたい。
自ら命を絶つ子どもたち。
生きるにつながるロープを
何本もつくりたい。
“孤独・孤立対策”は
まだまだこれから!
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